葉酸,ビタミンB群の欠乏を防いで認知症を予防

食物から摂取する「葉酸ビタミンB6ビタミンB12」が欠乏すると、アミノ酸の一種のホモシステイン(代謝中間体)をメチオニン(必須アミノ酸)やグルタチオン(酸化還元に重要な物質)に変換する代謝が不可能になり、その結果として血中ホモシステインの濃度が高くなる。

「高ホモシステイン血症」になると動脈硬化が促進される。そのため血中ホモシステイン値が高い人は循環器病(脳卒中、心不全、慢性腎不全など)になりやすく、ホモシステイン濃度が最も高値の群(4群中)は、最も低い群に比べると4倍以上の死亡率になっていたという報告がある。

そしてアルツハイマー病などの認知症になる割合も、血中ホモシステインが最も高値の群は、最も低値の群に比べて2倍ほど高い値だったと報告されている。また、8年前の血中ホモシステイン値が、その後の認知症の発症とかなり相関していたという。

ビタミンB12葉酸が欠乏すると、造血機能に悪影響が及ぶため、貧血(巨赤芽球性貧血)の症状などが表れる恐れがある。その症状は、立ちくらみ、息切れ、だるさ、味覚障害、皮膚の蒼白、口角・舌の炎症、食欲不振、体重減少、白髪の増加などである。

ビタミンB12が欠乏すると、神経の損傷(神経障害)が起こり、抑うつ、感覚異常、反射消失、記憶障害などの症状が表れることがある。ビタミンB12や葉酸の欠乏には、胃酸不足や小腸での吸収不全が係わっていることもある。

ビタミンB6には、たんぱく質の分解を助けたり、神経の刺激伝達物質を生成したり、赤血球の機能を保ったり、皮膚・粘膜の抵抗力を保つなど多くの作用がある。ビタミンB6が欠乏すると、皮膚炎、口唇炎、免疫力低下、貧血、うつ、錯乱などの症状が表れる。

葉酸を多く含む食品には、焼き海苔、鶏レバー、牛レバー、豚レバー、ケール、生うに、モロヘイヤ、玉露、菜花、枝豆、ブロッコリー、グリーンアスパラガス、鶏卵、ほうれん草、などがある。

ビタミンB12を多く含む食品には、焼き海苔、しじみ、あさり缶詰、赤貝、牛レバー、鶏レバー、さんま、牡蠣、さば缶詰、などがある。

ビタミンB6を多く含む食品には、まぐろ、かつお、豚ヒレ肉、鶏胸肉、白鮭、マサバ、ハマチ、牛ヒレ肉、バナナ、アボカド、茎にんにく、サツマイモ、玄米めし、などがある。

ビタミンDの血中濃度とアルツハイマー病との関連性についても報告されている。ビタミンDの濃度がより低い人ほど、アルツハイマー病や他の認知症を発症する人の割合が高くなっていたことが判明している。日本人を対象とした研究では、アルツハイマー病の発症と「血清カルシウム値」の低さが関連していることが報告されており、カルシウムの吸収にはビタミンDが必要であることから、ビタミンD不足も発症に関わっていることが推定される。

また、27歳までの健常者(日本人)を対象とした「血中ビタミンD濃度」と「脳の灰白質容量」(MRI画像から算出)の関連性の解析によって、ビタミンD欠乏群では、他者への共感力に係わる領域(右縁上回)や視覚認知などに係わる領域(両側紡錘状回)の体積が有意に小さかったことが報告されている。(→東北大学加齢医学研究所)

ビタミンDが欠乏すると、骨軟化症、骨密度の低下、免疫力の低下、うつ、などの症状が表れることがある。ビタミンDは皮膚で日光(紫外線)に当たることによっても合成されるが、強い紫外線を長時間浴びるのは有害である。外出時間が短い人などは、食品から摂取することを意識した方が良さそうだ。

ビタミンDを多く含む食品には、鮭、うなぎ、さんま、さば缶詰、まいわし、イクラ、まぐろ、きくらげ、まいたけ、などがある。ビタミンDが添加されているシリアルや栄養補助食品も多様な商品がある。

[Updated 2022-02-20]